さく乳のヒント
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少ない時間で母乳をより多くさく乳するためには、ダブルポンプ(両胸同時さく乳)が最も良い方法です。ダブルポンプがどのように働き、またお母さまと赤ちゃんにどのようなメリットがあるのかご説明します。
ダブルポンプはシングルポンプよりも効率的であることをご存知でしたか? つまり、赤ちゃんが乳房から直接母乳を飲むことができない、職場復帰している、母乳量を増やす必要があるなどの理由で、定期的にさく乳をおこなうお母さまにとって、ダブルポンプは赤ちゃんに母乳を与え続けるための最適な方法です。
ダブルポンプが時間の節約になることは明白ですが、加えて、さく乳量の増加も見込めることを示唆する研究も存在しています1,2。Medelaではさらにその理由を明らかにすべく、両胸同時にさく乳する場合と片胸ずつ順番にさく乳する場合のお母さま方を調査しました。
ダブルポンプはさらなる射乳反射を促します
興味深い発見がありました。ダブルポンプでのさく乳は、実際にさく乳できる母乳量が多くなります(平均18パーセント)3。その理由も解明しました。乳汁分泌ホルモンであるオキシトシンの分泌においてダブルポンプでの刺激はとても効率的であるため、射乳反射の回数が増えます。
赤ちゃんは母乳を飲むエキスパートです。しかし、ダブルポンプは赤ちゃんの能力に近づいていると言えます。赤ちゃんは片方の乳房からしか飲まない場合でも、授乳中にお母さまとたくさん密着するため、これがオキシトシンの分泌にとって良い役割を果たすという説もあります。おそらくダブルポンプは両方の胸に同時に刺激を行うため、同じように作用し、さらなるオキシトシンの分泌と、その結果として多くの母乳分泌を促すのでしょう。
ダブルポンプがさく乳の効率を上げるとしても、この技法によって母乳が過剰生産されるわけではないということに留意することは重要です。また、当社の研究ではダブルポンプが赤ちゃんより優れていることは示唆されていません。片胸ずつ交互にさく乳するシングルポンプは、直接授乳ほどの効率性はありませんが、ダブルポンプはその効率性に近づきつつあります。
もう一つの素晴らしい発見は、ダブルポンプでさく乳した場合、シングルポンプで片胸ずつ交互にさく乳する場合よりも母乳の脂肪分が多いということです。なぜでしょうか? そのカギは乳房をできるだけ空に近い状態することです。
授乳中またはさく乳中、母乳に含まれる脂肪分が着実に増加していきます。ダブルポンプでは射乳反射が増え、母乳量が18パーセント増えるため、母乳はより多く排出されます。そのため、脂肪分が多いということは、ダブルポンプの方がシングルポンプよりも乳房を空に近い状態にしていることを示しています。予定より早く生まれ、一日に少量の母乳しか飲めない赤ちゃんにとっては、この高いカロリー含有量が特に助けとなるでしょう。
ダブルポンプの効率性は、母乳生産の面においても非常に重要です。乳房が十分空になると、お母さまの器官にもっと多くの母乳を生産するようにシグナルが送られます。一方で、効率的でないさく乳をおこない、乳房に母乳が残った状態でいると、これ以上の母乳生産は不要であるというシグナルが送られてしまいます4。これが、頻繁で効率的な母乳の排出が乳汁分泌にとって重要である大きな理由です。
定期的にさく乳する場合は、ダブルポンプが良いということを説明してきましたが、では、どのさく乳器を選ぶと良いでしょうか? Medelaは、家庭、職場、または外出先で使用できるダブルポンプのラインナップをご用意しております。またSymphony(シンフォニー)は病院・クリニック向け電動さく乳器で、多くの出産施設に備えられており、個人でもレンタルが可能です。ご自身に合ったさく乳器を決めるには、さく乳器の選び方をご覧ください。
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